これらのとおり,基本合意書及びその後の特別措置法によって感染被害者の方々の救済の道筋が見えましたが,いまだ解決しなかった問題があります。それは,死亡又は肝がん,肝硬変の発症から20年が経過してしまった感染被害者の救済についてです。
民法では,不法行為で被害を受けてから20年が経過すると,損害賠償の請求権が行使できなくなる「除斥期間」という考えがあります。そのため,死亡などの被害を受けてから提訴までに20年が経過した者については,除斥期間が過ぎているので損害賠償の請求権が行使できないという考え方もあり得るのです。しかし,一方で,長く苦しんだ被害者こそ十分な救済を受けるべきという考え方もありますし,そもそも平成18年の最高裁判決後も何ら救済措置を講じてこなかった国の対応に責任があるという考え方もあります。
このように,色々な考え方があり得ますが,基本合意書が定められた際には,死亡などの被害を受けてから提訴までに20年が経過した原告はいませんでした。そのため,基本合意書ではこのような場合の定めが置かれませんでした。
しかし,その後,死亡などの被害を受けてから提訴までに20年が経過した方々が訴訟提起し,その解決基準の策定が必要となり,再び裁判所において全国B型肝炎訴訟国弁護団と原告団,国とが協議し,次の基本合意書(その2)が取り交わされたのです。残念ながら,20年を経過していない者とは差のある給付金となってしまっています。もっとも,B型肝炎ウイルスによる肝がんは発症後一旦完治しても再発を繰り返す性質があり,再発肝がんが多中心性のものであれば再発時を20年の起算点とするといった救済も用意されています。
(基本合意書(その2)を引用)
なお,基本合意書に定められた恒久対策に従い,国は過去の集団予防接種等の際の注射器等の連続使用によるB型肝炎ウイルスの感染拡大の実態や経緯等の検証を多方面から行い、これらの検証結果や予防接種施策の現状等を踏まえて再発防止策を検討・提言することになっています。そのため、平成24年5月31日から「集団予防接種等によるB型肝炎感染拡大の検証および再発防止に関する検討会」が開催され、平成25年6月18日に次の提言がとりまとめられました。
(集団予防接種等によるB型肝炎感染拡大の再発防止策についてを引用)
また,厚生労働省では、本検討会の提言を踏まえ、平成25年10月17日に、今後の予防接種行政見直しのための取組を策定いたしました。
(集団予防接種等によるB型肝炎感染拡大の再発防止策とその取組についてを引用)
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